「測量」とは

 「測量」とは地図の作成、土地の位置・状態調査を実施するための技術や作業のことを指します。身近な地図と言えばGoogle MapやYahoo!マップといったWebマップが思い浮かぶと思います。一方で自宅と近所のコンビニへの道順のメモも地図と言えます。この2種類の地図の違いは正確さにあります。目分量で描いたメモの地図は目的とする対象の位置関係を把握できれば良いので距離や角度等の正確さは適当です。Webマップは正確なスケールで作成されていて、地図上で距離や方角を正確に測ることができます。こうした正確な地図を計測、作成するのが測量になります。
 当社は業務として測量作業を実施する会社です。基準点測量、地形測量、応用測量等の公共測量を実施できる体制を整えていると共に目的に応じた測量に対応できるよう努めております。

基準点測量

 基準点測量とは、既存の基準点、水準点から新しい基準点、水準点を作成する作業です。
 基準点とは各種測量の基礎となる正確な位置と高さをもつ点で、標石、金属標、鋲が設置されています。国土地理院が示すところによると「基準点とは、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された電子基準点、三角点、水準点等から構成され、地図作成や各種測量の基準となるものです。(https://www.gsi.go.jp/chubu/profile-kijunten-kijunten.html)」
 この既存基準点からトータルステーションやGNSS(Global Navigation Satellite System:全世界的衛星測位システム)機器を使って新しい点を作成します。
 当社は下記トータルステーションとGNSS機器を所持しており、各種基準点測量に対応できます。

トータルステーションによる測量

 トータルステーション(TS)は距離と角度を同時に高精度で計測できる機器です。TSを基準点上に設置して新点までの距離と角度と計測することで正確な位置を計測します。距離は光波測距儀という装置が搭載されており、計測対象に照射した光の反射情報から距離を計測することができます。
 トータルステーションでの測量は距離を正確に測ることができ、機器を設置できればどこでも実施が可能です。ただし、光波測距で直接距離を測るため計測する点どうしの視通が必要です。

GNSS測量

 GNSS測量とはGPS等の人工衛星の電波信号を受信する機器を用いる測量手法です。受信データを専用のソフトウェアで解析することで設置位置の正確な座標を計測します。
 衛星電波の受信は身近なものにも普及しており、車のカーナビやスマートフォンのナビアプリも衛星電波を受信して得られた位置情報を使っています。GNSS測量は受信機器の上部を遮らるものが少ない箇所で長時間一定間隔で連続して電波を受信することでより精度の高い座標を得られる手法です。トータルステーションを使用する場合と異なり計測点間の視通がなくても測量が実施可能です。

水準測量

 水準測量とは2点間の高低差、標高を求める作業です。水準測量は直接水準、間接水準、GNSS水準という手法に分類されます。
 直接水準はレベルと標尺を使用する方法です。レベルは水平方向を厳密に視準するための機器で、標尺は棒状の目盛が記された尺です。高低差を計測したい点の間にレベルを設置して、標尺を読み取ることで2点間の高低差を直接計測します。間接水準はトータルステーションで角度と距離を計測することで高低差を算出します。GNSS水準はGNSS機器の受信情報から設置箇所の標高を計測する手法です。この2つは基準点測量と共通するところもある手法となります。
 当社では測量協会で検定を受けたグラスファイバー製の標尺と電子レベルを所持し、いずれの手法でも対応可能です。

地形測量

 地形測量とは土地の起伏や地物(建物や河川等)の形状と位置を計測し、図化することで地形図を作成する作業です。地形図は平面図とも言い、用途に応じて1/250、1/500等の縮尺を定めて作成します。縮尺は数値が大きくなるほど細かい地物が表現できるため詳細な地図になり、小さくなるほど必要な情報が絞り込まれて簡易な地図になります。逆に、詳細な図面を作成するには測量作業も相応の時間を要するようになり、測量範囲の面積と用途に応じた縮尺設定と作業計画が必要になります。
 地形測量は基準点測量で作成された基準点にトータルステーションを設置して、必要な地物の距離と角度を計測、図化していき平面図とします。
 また、地形測量は3次元レーザースキャナーを用いた三次元点群測量、ドローンを使用した空中写真測量でも実施できます。当社は上記3手法での測量機器を備えており対応が可能となっております。

その他

 上記以外にも目的に応じて様々な測量手法があります。業務として実施する測量では応用測量と呼ばれる作業があります。応用測量は道路、河川、公園等の計画、調査、実施設計、用地取得、管理等に用いられる測量を指します。
 応用測量の一例として路線測量があります。路線測量は道路等の形状を現地に表示し、形状を調査する作業です。設計された形状の変化点等を杭や鋲で示し、道路の延長方向の形状を調査するのが縦断測量、横断方向の形状を調査するのが横断測量と言います。
 その他用地測量や河川測量等の作業や、目的に応じた測量に対応できるよう努めております。